保育士・教員のための研修プログラム

「じょうずだね」のかわりに、
この子には何が見えているのかを言葉にする。

子どもの絵は「作品」である前に、その子から届いた手紙です。上手・下手で採点して返すのではなく、読み取り、言葉にし、保護者に伝わるかたちで手渡す——その技術を、明日から使えるフレーズとともに持ち帰る研修です。

基本90分 園内研修・教員研修に対応 実作品ワーク中心
海の生き物を描いている様子

ある子が描いた、海を泳ぐ魚たち。この絵から、あなたは何を感じ取りますか?

この研修で持ち帰れること

評価の目を、感じ取る目に。

「感じ取る」視点を持つ

上手・下手の軸を手放し、「この子には何が見えているのか」「何を感じているのか」を読み取る観察の型を身につけます。

伝わる言葉に翻訳する

読み取ったことを、保護者や同僚に伝わる具体的な言葉に変換します。連絡帳・展示キャプション・面談でそのまま使えます。

明日から使うフレーズ

声かけの言い換え集と感じ取りメモのテンプレートを配布。研修翌日の保育・授業から実践できます。

90分の流れ

気づく → 感じ取る → 伝える

  1. はじめの15分

    なぜ「上手・下手」で見てしまうのか

    1枚のなぐりがきを前に、自分の語彙のほとんどが「評価」か「印象」であることに気づくところから始めます。描画の発達段階と、「上手だね」がもたらす副作用を短く押さえます。

  2. つづく35分

    感じ取る技術 — 3つのレンズ

    プロセス・内容・文脈の3つのレンズで作品を読み解き、実際の子どもの作品を使ってグループで言語化。「評価語→感じ取り語」の言い換え演習を行います。

  3. そのあと30分

    伝える技術 — 保護者・同僚への翻訳

    「うちの子、絵が下手で…」への応答、連絡帳・展示キャプションの書き方、面談で使える「事実→感じ取り→問いかけ」の型を、場面別に練習します。

  4. まとめの10分

    明日からの3つの約束

    言い換えフレーズ集・感じ取りメモのテンプレート・発達段階の早見表を配布し、それぞれの現場での最初の一歩を決めて終わります。

研修の核

感じ取る3つのレンズ

子どもは「見たまま」ではなく「知っていること・感じたこと」を描きます。頭足人も、家の中が透けて見える絵も、未熟さではなくその子の認識世界の正確な表現。3つのレンズがそれを読むための道具になります。

① プロセスのレンズ

手の動き、筆圧、色を選ぶ順番、途中でやめた・戻った箇所。「どう描いたか」に、その子の夢中が表れます。

同じ円を何十回もなぞっている → 回る感覚そのものを楽しんでいる?

② 内容のレンズ

何が描かれているか、ではなく「何が大きいか・中心か」。大きさと位置は、その子にとっての重要度の地図です。

お母さんが画面の8割を占める絵 → 遠近法の失敗ではなく、存在の大きさの表現。

③ 文脈のレンズ

最近の出来事、遊びの様子、家庭の変化と表現を重ねて見ます。結論を急がず、まず観察の記録として残します。

黒だけで塗る日が続く → すぐ「心配」ではなく、”かっこいい色”として楽しんでいる場合も。
ライオンの絵を描く子どもたち

プロセス・内容・文脈——3つのレンズで見ると、同じ絵からもたくさんのことが見えてきます。

言い換えを体験する

カードをめくって、感じ取った言葉へ。

研修の中心となる演習を、少しだけ。つい言いがちな言葉をタップ(クリック)すると、感じ取った言葉に変わります。

つい言いがち「上手だね」タップして言い換えを見る
感じ取った言葉「この線、端から端まで一気に描いたんだね」評価ではなく、見えた事実を渡す
つい言いがち「何を描いたの?」タップして言い換えを見る
感じ取った言葉「ここ、いっぱい色が重なってるね。教えてくれる?」“正解の説明責任”を負わせない
つい言いがち「もっと丁寧に」タップして言い換えを見る
感じ取った言葉「ここだけすごくゆっくり塗ってあるね。大事なところ?」直させる前に、意図を聴く
つい言いがち「空は青でしょ」タップして言い換えを見る
感じ取った言葉「〇〇ちゃんの空はこの色なんだね。どんな日の空?」正解ではなく、その子の世界を訊く

伝える技術

保護者への「翻訳」まで扱います

感じ取れるだけでは、現場は変わりません。この研修の特長は、感じ取ったことを保護者・同僚に手渡すところまで一気通貫で扱うことです。

場面:「うちの子、絵が下手で…」と相談されたら

のってしまいがち「そんなことないですよ、上手ですよ」
感じ取ったことを添えて「実はこの絵、面白いんです。電車の車輪だけ何度も描き直した跡があって——〇〇くん、動く仕組みにすごく興味があるんだと思います」

否定でも慰めでもなく、具体的に感じ取ったことをひとつ添えて手渡す。保護者の「見る目」そのものが変わります。

場面:連絡帳・作品展示のキャプション

ありがちな一文「じょうずにかけました」
プロセス+その子の視点「絵の具が紙の上で混ざる瞬間をじっと見て、『うみができた』とつぶやいていました」

キャプションが変われば、展示の前に立つ保護者の見方が変わります。研修では実際にキャプションを書く演習も行います。

場面:面談で子どもの様子を伝える

事実 → 感じ取ったこと → 問いかけ の型「最近、家族の絵にいつも犬が真ん中にいるんです(事実)。〇〇ちゃんの中で今いちばん大きな存在なのかなと感じています(感じ取ったこと)。おうちではどうですか?(問いかけ)」

感じ取ったことは断定せず、仮説として渡す。保護者と一緒に子ども理解を深める姿勢が伝わります。

開催プラン

現場に合わせて組み立てます

基本版

90分

講義+実作品ワーク+言い換え演習。園内研修・校内研修の1コマにそのまま収まります。

半日版

3時間

実作品ワークを増量。参加者が持参した子どもの作品(写真可)を使った相互演習まで行います。

その他

ご相談ください

複数回に分けての実施や、園・学校の状況に合わせた組み立てもご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。

くめまゆみ

講師

くめ まゆみ

ビーハッピー絵画教室 主宰(指導歴12年)。グラフィックデザイナーとしても活動し、大村市美術協会 事務局長を務める。子どもの絵を「うまい・へた」で判断せず、その子が何を見て、何を感じたのかを言葉にすることを大切にしている。

研修のご相談・お問い合わせ

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